代表挨拶

Greeting from the president

昭和化学工業は、明治 45 年にカラメル製造工場として産声を上げました。清冽な水と穏やかな気候に恵まれた長崎県島原の地で、令和 4 年には創業 110 周年を迎えます。大手競合も多いこの業界で小さな食品メーカーが、このような記念の年を迎えられる喜びは、ひとえにお取引先の皆様のお力添えあってのことと厚く御礼申し上げます。

糖を原料とするカラメルの歴史は古く、ヨーロッパでは大航海時代以前から身近な調味料として親しまれてきました。19 世紀にはチョコレートやウィスキーの着色料、風味づけとしての商業利用が始まり、明治初期に日本へ伝来。当社も、日本のカラメル文化の黎明期より、カラメル製造のパイオニアとして歩みを進めて参りました。

日本ではもっぱら醤油の着色料として活用されてきたカラメルですが、食生活の変化とともに、料理、お菓子、飲料とその活躍の場は大きく広がっています。さらに当社では、糖の持つ多彩な機能に着目し、機能性調味料という新しいジャンルを確立、お客様の課題を解決する一助となれるよう、日々研鑽を重ねているところです。

今日においては、カラメルやシラップ、糖を原料とする加工食品は、さほど複雑な製造手順を必要としません。アメリカでは、1 人の作業員が数トンものカラメルを製造する工場もあるそうです。しかし当社では、今なお豊富な知見と高い技術力を持つベテランの職人が製造現場で活躍し、製品の品質を追求。開発部門を担う研究員と二人三脚で企画・開発・製造に取り組んでいます。

食の市場は、私たちの生活とともに絶え間なく変化していきます。変化に振り回されるのではなく、その一歩先を切り拓くパイオニアであり続け、これまで以上に開発力を高めていくこと。そして、ニッチであっても確固とした市場を自ら築いていくこと。それこそが、これからの昭和化学に求められている使命であり、次の 100 年を生き抜くための唯一の道であるといえるでしょう。

料理、食品、添加物...多岐にわたって深く広い知識を持つ機能性調味料のプロフェッショナルとして、みなさまの楽しい食卓を支え、未来の食文化を豊かにすることを目指し、私たちは歩み続けます。

代表取締役社長
村上 豪將